月刊俳句誌「ゆめ」俳句会
俳句教室 寸評と指導
2024・1・3制作
詳しい句評は月刊俳句誌「ゆめ」に掲載
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1月分講評・添削(抜粋)
善光寺の朝の鐘聞く初湯殿 北村 克子
善光寺の近くに住んでいるからこそで、誰もが経験できることではありませんが、俳句を通して、体感できたような気がします。
優秀句です。
買初や児らの呼び込む飴の市 玉井はるみ
「買初」は新年の季語です。松本の「飴市」は、「塩市」と同じで新年の季語となり、季重なりです。地方の行事も、結構季語として
採用されていますので注意しましょう。
「城下町子らの呼び込む飴の市」
歌かるた手前に置きぬ恋の札 丸山 正子
楽しい俳句が出来ました。四十年ぐらい前まではこうした内容の、歌留多の句が多かったのですが、最近はめっきり減りました。
ただ、類句は多いので気を付けましょう。◎。
初春の空へ飛び立つ一番機 滝澤 芳郎
「一番機」に引っ掛かり、私は賛同出来ませんでした。国際線の出ている空港では、国際線の一番気は午前0時台が一番機です。
国内線だと、空港によって違いますが、午前5時頃から在ります。初春の空というには未だ真っ暗です。この句はそういう意味
で一番機はどうなのでしょう。何か皆さんは、ムードだけで句を鑑賞していませんか。
「初春の空へ飛び立つ国際便」
窯元の紺の紬や賀詞交す 倉島 勝美
この窯元が、どんなものを焼いているのかは分かりませんが、佇まいが見えてくるような俳句でした。秀逸句です。
女正月話上手と聞上手 北澤 時江
地方の俳句大会などは、こういう内容の句の方が、高点が入ります。私は、「話し上手と聞き上手」が慣用語ですのでいただきま
せんでした。慣用語を使うと「盂蘭盆会話し上手と聞き上手」と、どんな季語でも合います。大会などで、選者を引き受けたとき
に、気を付けなければいけない点です。
幼子の伸びし背丈や毛糸編む 岡宮 愛子
正攻法の分かりやすい句で、良かったのではないでしょうか。◎。
俎板を洗ひて干して去年今年 峰村 玲子
主婦にしてみれば、こういう事柄も、暮れや新年となると意義深いものに思えて来るのが人情と言うものです。◎。
人日やお盆に御札の戸隠講 神谷 順子
「御札」というものも、暮れから新年に掛けて、いろいろな所からいただきます。神仏の徳を慕う「講」は、今もあちこちで盛んに
行われていますので、こういう情景も多いのではないでしょうか。◎。
漉餡は母の味だねお正月 山﨑 清子
漉餡類は、出来上がって居るのを買うのがほとんどですが、すべて自作ということなのでしょうね。◎。
紅差すや女正月にぎにぎし 西 とみ子
いただきましたが、女正月の捉え方もいろいろなのでしょうね。◎。普通はこんなに、改まったものでは無いのではないでしょ
うか。
「女正月紅だけを差し急ぎをり」
菰巻の飾り結びや奥座敷 永井美登子
「奥座敷」が在るので、まさか植物の防寒用の菰巻とは思いませんでした。作者にしてみれば分かり過ぎることでも、なかなか他
人には伝わらないものです。
「菰巻の飾り結びや庭の木々」
雪催静かに静かに香を聞く 内山 朝子
「聞香」とは、また素晴らしい趣味をお持ちですね。作者や関係者が納得ならそれで良しとして置きましょう。◎。
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